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<福岡2020レポート>「印刷の分野でSDGsを推進」 西日本ビジネス印刷(株) 代表取締役会長 園田慶一さん インタビュー

at 2020/06/19

福岡の “いま” を伝える情報コラム <福岡2020レポート> 。

今回は「印刷の分野でSDGsを推進」と題して、西日本ビジネス印刷(株) 代表取締役会長の園田慶一さんへのインタビューをお届けします。


――まずは、印刷会社を立ち上げられたきっかけについて教えていただけますか?

私が社会人となって最初に就いた仕事は大手電機メーカーのシステムエンジニアでした。大型コンピューターのシステムサポートを担当し、全国を飛び回っていましたが、九州支社勤務となった折に福岡との縁ができました。

大企業で働き続けることへの疑問や不安、そして何より「自分の力を試してみたい」との思いから、30歳を前にした1976年(昭和51年)、中央区大宮で印刷会社を始めました。創業当時は、私の出身地にちなんで『奄美印刷』という社名でしたが、会社経営の諸先輩方からのアドバイスもあり1982年(昭和57年)に現在の『西日本ビジネス印刷』という社名に改称しました。

当時は印刷の需要が右肩上がりの時代。とはいえ、私自身は印刷に関しては全くの素人で、商品の営業(セールス)に携わった経験もなかったため、創業当初は大変苦労しました。自分以外に社員もおらず、企業や商店・飲食店の伝票や封筒、チラシなどを制作するいわば “商業印刷” を中心とした仕事を何とかこなしていく状態が5年ほど続きました。

――30歳目前にしての独立、そして転職には大変なご苦労があったのですね。

当時、システムエンジニアから印刷業に転職した人は、まずいなかったでしょう。とはいえ私には「印刷は素人でも、コンピューターの知識は誰にも負けない」という自負がありました。そして、その頃ちょうど、印刷技術は「活版印刷」から「オフセット印刷」への転換期を迎えていました。印刷業界に技術革新の波が押し寄せていたわけです。

そうしたなか、1980年代後半、アップル社のMacintosh(Mac)が登場し、グラフィックデザインの世界にも新たな潮流が生まれます。当時、『Mac』を使ったデザインに対応可能な印刷会社は非常に少なく、その時機をとらえて私の会社はようやく軌道に乗り始めます。そして1996年(平成8年)、現在地の中央区平尾に社屋を移転し、デジタル印刷に対応した設備を整えました。

1998年(平成10年)にはマイクロソフト社よりWindows 98がリリースされ、企業各社ではWordによる文書作成やExcelによるデータ集計・分析の導入が進みました。当時、WordやExcelで作成したデータを編集・加工して印刷物に仕上げることができる印刷会社はほとんどありませんでしたが、これぞまさに私の得意分野。当社は “Windowsデータの駆け込み寺” と呼ばれ、全国から注文が舞い込みました。

――印刷業界においても、IT革命の影響は大きかったのですね。

おっしゃるとおりです。そして現在においても、技術革新、そしてIT化は日々進化しています。

そうしたなか、昨今の印刷業界において特に注目すべき流れは、いわゆる「ネット印刷」の普及ではないでしょうか。このインターネットで印刷を発注する方法を業界内で最初に導入したのは新潟県五泉市の『吉田印刷所』といわれており、2011年(平成23年)に専用サイトを開設されていますが、実は当社では小規模ながらも、その時期以前から「ネット印刷」の受注を開始していました。

現在、「ネット印刷」の分野で実績を伸ばしているのが、京都府向日市の『プリントパック』と京都市の『グラフィック』という企業ですが、もとはといえばこの二社は、印刷業者から受注を受けていた製版業者でした。時代の流れを見極め、従来培ってきたノウハウを活かして、消費者の新たなニーズに応えた形だと思います。

――社会的なペーパレス化の動きがありますが、印刷業界の現況はいかがでしょうか?

印刷会社が減少している傾向はありますが、それは必ずしも印刷物の減少によるものではありません。着目すべきは、印刷機の性能の向上です。従来であればオフセット印刷で1時間に1万枚しか刷れなかったのが、現在は1万5千枚から2万枚刷れるようになっている。すなわち従来2~3社で分担して制作していたようなものが1社で制作できるようになったわけです。

また近年では、印刷を施す素材が多様化しており、当社でも紙だけでなく、フィルムやクリアファイルなどへの印刷の受注が増えています。また、印刷物を様々な形に加工した商品へのニーズも生まれています。

当社では、5年ほど前にオンデマンド印刷機を導入し、今年2台目を導入しました。水溶性のインクを使用するオフセット印刷に対して、トナーを使用するオンデマンド印刷は色彩の再現力が極めて高く、とくに金や銀、白など、従来のオフセット印刷機ではなかなか上手く表現できなかった色合いがきれいに出るのが特徴です。当社には箔押しの設備もあり、賞状・案内状や清酒・ワインのラベルなどに金や銀を使った細やかな模様を施すことができます。

印刷で重要なのは感性を生かしたデザインです。人に訴える訴求力が印刷にはあると私は確信しています。これからも新たな技術を取り入れながら、お客様にご満足いただける商品を提供していきたいですね。

――御社では、環境保全や地域貢献、メンタルヘルス対策などにも積極的に取り組まれていますね。

環境保全の観点からは、社員一丸となって節水や節電、排水のクリーン化に取り組んでいます。今年5月には、環境マネジメントシステム「エコアクション21」の認証も取得しました

またこれからの時代、「自分の会社だけ良ければいい」という考えは通用しないと思います。福岡県では競争入札の際に地域貢献活動によって評価点が加点される「地域貢献活動評価制度」を取り入れており、企業の継続性を考えたうえでも、地域や行政の取組を可能な限りサポートしていく必要があると感じています。

また、会社を経営するうえで、社員の存在はとても大きなものです。「仕事は楽しくやるべき」という理念を強く持っており、「自分は楽しくても同僚はそうでないかもしれない」といった思いやりや気遣いは一緒に仕事をするうえでとても大切だと考えています。そうした観点から、当社ではメンタルヘルスや人権についての知識を深めるため、社員全員が参加する勉強会や意見交換会を定期的に開いており、その取組は、厚生労働省ホームページの働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』にも取り上げていただきました。

――昨今の社会情勢は印刷業界にも影響をもたらしているのではないでしょうか。

「企業が動けば印刷屋が動く」というのがこの世界の常識ですから、企業活動の中断や停滞、イベントの中止などにより、受注が減っているのは事実です。ただ、私の経験上、苦境が永遠に続くことはありません。会社を経営する上で、まさに “崖っぷち” という状況を何度も経験しましたが、すべて持ち直してきました。人も会社も良い時期があれば悪い時期もある。要はその繰り返しです。大事なのはメンタル。未来は明るい、そう信じて前向きに取り組んでいくことです。先は明るいと信じています。悲観するばかりでなく、近い将来、事態は好転すると信じること、新しい挑戦をした方が楽しいと思うことが大事ではないでしょうか。

観光業界も大変だと思いますが、この土地には何千年も前から大陸との交易の歴史があり、商業が盛んな都市です。『博多祇園山笠』『博多どんたく』といった大規模なお祭りが2つもあるのは全国で福岡ぐらいではないでしょうか。この状況下だと、全国、全世界のどの観光都市においてもスタート地点は一緒です。この地域の力が試されるときだと思いますし、福岡の潜在能力からすれば、この苦境を超えて新しい観光の形を作ることは難しくないことだと思います。

――本日は貴重なお話と力強いお言葉をいただき、本当にありがとうございました。

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[取材・編集]  西山健太郎(福岡観光コンベンションビューロー マーケティングマネージャー)

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