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<福岡2020レポート>「ウィズコロナ・ポストコロナ時代の飲食店経営・利用のあり方」(フードハッカソンジャパン 代表 栗田 真二郎)

at 2020/10/30

福岡の “いま” を伝える情報コラム <福岡2020レポート> 。

福岡市飲食店安全安心アドバイザーの栗田真二郎さん(フードハッカソンジャパン代表/株式会社キッチン代表取締役)より、飲食業界を取り巻く現状と、今後の飲食店経営・利用に関する分析・提案に関するレポート「ウィズコロナ・ポストコロナ時代の飲食店経営・利用のあり方」をご寄稿いただきました。




ウィズコロナ・ポストコロナ時代の飲食店経営・利用のあり方

フードハッカソンジャパン 代表 栗田 真二郎


異業種交流コミュニティ『フードハッカソンジャパン』の設立

『フードハッカソンジャパン』は、飲食店の経営やコンサルタントに携わる森智範さんと共同代表となり、今年4月下旬に設立した任意団体です。

4月7日に福岡県に緊急事態宣言が発令され、飲食店の営業自粛を余儀なくされた時期に、旧知の森さんと話す機会があり、「いま何か手を打たなければ、飲食業界の未来はないのではないか」という共通認識を抱きました。

そこで、お客様の立場になる方々の意見や他業界の知見と経験を反映させることで、飲食店を取り巻く環境変化に対応した、新たな食文化を構築することができないだろうかと考え、Facebookグループを立ち上げ、有志の協力者を募りました。

そうしたところ、飲食業界以外からも多種多様な業種の方々が名乗りを上げていただき、異業種交流コミュニティとしての『フードハッカソンジャパン』が誕生しました。現在(2020年9月末時点)では、その参加者は350名に達しています。


店側・客側双方で取り組む指針として誕生した「飲食店イートイン安全ガイドライン福岡」

『フードハッカソンジャパン』の活動として最初に取り組んだのが、飲食店の安全ガイドラインの策定でした。

当時すでに香港の飲食店が取り入れていた対策指針をモデルとして、IT事業者がIT技術とデジタルコンテンツの活用アイデアを提案し、フードライターが飲食店の課題や意向を取りまとめ、医師が感染症の専門家からの情報・意見の集約を行うなどして、メンバー全員で議論を重ねて内容を練り上げ、呼びかけから10日ほどで「飲食店イートイン安全ガイドライン福岡」が完成しました。

このガイドラインの特色の1つ目は、飲食店だけでなく、来店されるお客様に守っていただいたり、心がけていただいたりする事項を盛り込んだことです。店側と客側の両輪が揃ってはじめて飲食店の安心・安全が達成されると考えたからです。

特色の2つ目は、「必須」「目標」「推奨」というように、店側・客側双方が守るべき指針を3段階に分けて提示したことです。飲食店の業種・業態や店舗面積などの違いを踏まえ、より実践的で効果的な内容を目指しました。

特色の3つ目は、版権フリーにしたことです。ポスターデザインやロゴ・アイコンの利用権を無料としたことで、各地より引き合いがあり、いまでは、この福岡発の取組が岡山、宮城、石川、和歌山、東京など、全国に広がっています。


飲食店利用者の志向の変化

7月からは、『フードハッカソンジャパン』が福岡市の安全安心アドバイザー事業を担当して、飲食店への助言を行っていますが、経営者の皆様から一番多く聞かれるのは「どうやったらお客さんが戻ってくるのか」という悩みです。

その課題解決には、飲食店利用者の志向の変化を踏まえる必要があると考えています。

その1つ目は、飲食店の安全・安心対策への関心です。

いまや安全・安心対策は、おしぼりやお冷を出すのと同じように飲食店にとって必須のサービスであり、店主の皆様には、「無対策のお店にはお客さんは来ない」と思っていただきたいです。その一方で、対策を行っていることを店の内外に明示することは、集客対策としての効果が見込めますので、積極的に行っていただきたいと思います。

2つ目は、混雑や密を避ける傾向です。

「大勢で集まって、飲んでしゃべる」ことが敬遠され、「美味しいご飯や飲み物を少人数または一人で味わう」ことを好む人が増えており、店側にはメニューや配席の工夫が求められます。

3つ目は、食事形態の多様化です。

この半年を振り返ってみると、飲食業界において、外食・中食(なかしょく)・内食(うちしょく)の垣根が取り払われたような気がしています。すなわち、飲食店が単なる外食の場にとどまらず、飲食店の料理を持ち帰ったり宅配で取り寄せたりして自宅で楽しんだり(中食)、飲食店がプロデュースした調味料を使った家庭料理を楽しんだり(内食)する人が一気に増えました。

4つ目は、飲食店の位置づけが変わったことです。

宅配・通販市場が一気に拡大し、自宅での食事の楽しみ方が多様化したため、「内食」の志向が強まった一方で、自宅でも職場でもない「自分をリセットする場所/英気を養う場所」としてのいわゆる「サードプレイス」として飲食店をとらえる人が増えています。これからは、「サードプレイス」としての店か、いわゆる「ファーストフード」を提供する店か、という外食選択の二極化が進むと思われます。


地域に愛され、地域と連携した店づくり

そして、5つ目として、自宅から徒歩圏内の飲食店の利用が進んだ点が挙げられます。

実際に、情報を集めてみると、地域住民に愛され、地域外からも多くのお客さんが訪れる「地域一番店」は客離れが少なく、客戻りが早い、という傾向が見られ、売り上げの減少幅も小さい、という実態が明らかになってきました。

また、大手チェーン店や大型店が閉店する動きや、都心に集中していた飲食店が放射線状に市内各地に分散する動きが顕著になっています。

こうした状況を踏まえると、これからの飲食店が目指すべきは、一見客ではなく馴染み客を増やすこと。別の言い方をすると、単なるお客さんではなくファンを増やすことではないかと考えています。

その一つの手段としてIT技術を活用することは大変効果的です。

例えば、自社のホームページを強化して、メニューや営業時間だけでなく、思いやこだわりを伝えるとか、IT化によって注文・会計・予約受付などの手間が省かれた分、個々のお客さんのニーズに応じた、きめ細かな接客を行うとか、オンラインとオフラインをうまく使い分けることで、お店のファンは確実に増えていくと思います。

最後に、これからの飲食店は、「ソーシャルグッド」を考えないと生き残れない、ということを強調したいと思います。「うちの店だけよければいい」という考え方は通用しないということです。

「飲食店イートイン安全ガイドライン福岡」には、店側の対応として【地域の最新情報や対策を毎日確認し、周りと共有する】ことを推奨項目として掲げています。

地域の同業者と連携しながら、愛される店づくりを目指すということですが、従来から飲食店同士の良好なコミュニティが形成されている福岡・博多においては、それほど難しいことではないと思いますし、そこがこの土地の強みだと思います。

新型コロナは甚大な影響をもたらしましたが、私自身は、飲食店を経営する者の一人として、飲食業界にようやく21世紀が訪れた、新しい時代の幕開けが訪れた、と前向きにとらえています。


【飲食店イートイン安全ガイドライン福岡】
※詳細及びデータのダウンロードにつきましては「ふくおかニューノーマル」のサイトをご参照ください。

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